難しいですね……。

　通して考えて、決して万人にはお勧め出来ない作品だな、と思う。『ちょっと今から仕事やめてくる』は、伝えたいことが明白で、万人にそれが十全と伝わると思うんですけど、こっちは読み終えた上で、きっと自分が理解出来ていない、取りこぼしてるのがたくさんあるんだろうな、と思わんでもない。だから、自分より若い人が読んだら、余計にそうなる可能性が高いと思うんですよね……。なので、自分は決して勧めませんぜ！

　ということでの今回は、『メディアワークス文庫』の『ヒーローズ（株）!!!』シリーズ最終巻、『完・ヒーローズ（株）!!!』。ヒーローズ株式会社で働き、様々な人と接して来た修司は、とある決意に至ります。そんな修司の決意にミヤビは反対するのですが、修司自身の決意は非常に固く……。

　まぁ何と言うか、正に「人生」って感じの終わり方だったなぁ、とか何とかかんとか。スパッと終わるって感じではないけど、人生を描いているワケだから、そういうもんだと言えなくもない。ただ、スパッと終わらないんで、やっぱり何か気持ち悪くなっちゃう人はいると思うんですよね、一定数。自分も正直そうだし。

　それを加速しているのが、追加された新キャラの使い方が中途半端で終わっちゃったり、結局「あの人」のエピソードは何にもなかったな！？だったり、かと思えばこの巻だけのキャラのエピソードをめっちゃ濃くやるな！？だったり、話の組み方として考えるとベスト感がない点だと思う。普段よくエロゲに言ってる、「要素はこれで良いから、頭から書き直せ！」までは、話の特性上思わないけど、どうなんかねぇ……？

　まぁとは言え、今後も新作が出版されそうなら、ひとまず様子は自分の目で確認してみますかね。決して失望するような出来ではなかったですし。ただ、『ちょっと今から仕事やめてくる』とは違って、スキッとはしないよ？というのは覚悟して読むべきだと思いますけどね……。さて、次作はどんな終わりになりますやら……？

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