Tenko

 『天狐のテンコと葵くん たぬきケーキを探しておるのじゃ』は、『集英社オレンジ文庫』より刊行された小説です。洋食店で働く青年、山名葵はある日、弱った野生の獣に出くわします。その獣は少女の姿に変身した上、自らを山の主であると名乗り、力を取り戻すためにはたぬきケーキを食べる必要があると言い出します。彼女に振り回された葵は、もはや絶滅危惧種となっているたぬきケーキを探し回ることとなり……。

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 店頭で見て、何かビビッと来たので買った感じでしたが……個人的には、面白くはあるんだけど壁は破れていないかな、という印象でした。自分はキッチリとした回収に拘る派閥なので、その辺がイマイチやり切れていなかったのが原因なんではと思います。なので、その辺を無視出来る、あるいはアンテナ感度が弱ければ、本作の良いところを受け取りやすいと思います。

 一番のピークがやはり、葵が以前関わった喫茶店の話で、それを終えてからの伸びがイマイチというのもあったかな。たぬきケーキという、普段ほぼ聞かない要素をブチ込んで来たこと自体は良かったけど、正直ケーキ作れない人の方が多いだろう中で、文章だけではちょっと辛いかもしらんね。これは映像必要だったかな……。

 後、ここからは完全に個人的な意見ですが、多和田さんと結ばれて欲しかった!というのが、ガチガチのガチの本音よ。やっぱ何と言うか、あぁいう感じの人に幸せになって欲しいというのが性癖なんだろうな。性癖というには、ちょっとばかしピュア過ぎますけど。ある意味序盤から出てたワケだから、「彼女」に対してぽっと出のヒロインが!?までは言いませんけどもね?

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