昔、すごく好きだったドラマです。ウィキペディアで視聴率を見たところ、初回にギリ10%、以降は常に8%ということで、ショックですね。ストーリーの切れ味では決して負けていないどころか、最近のドラマなら相手にもならんと思うのですが……。

 このドラマは、借金を抱えて廃校寸前の高校に、どんな悪い経営状況からでも立て直してきた伝説の男が現れ、活躍していくという物語です。この設定、何となく『ハケンの品格』に近いものがあると思います。もっとも、『お前の諭吉が泣いている』は、実に6年も前のドラマですが。
 このドラマは、実に“お約束”を忠実に守ったドラマです。国分太一演じる理事長が、東山紀之演じる伝説の男・結城碧志にあだ名を付け、「ケッペキ先生!」と呼ぶたび、「私は、教師ではありません」と返すところとか。この掛け合いが、1話に1回は確実にあったような気がします。
 ストーリーも、忠実に“お約束”を守っています。流れとして、

1.毎話の最後に、結城碧志が学校の改革に関して無茶なことを言う。(誰々をクビにする、とか)
2.無茶なことを言われた人を中心に騒動が起こる。
3.無茶なことを言われた人に対して、結城碧志が話をお金に絡めて語る。
4.結城碧志の決め台詞。「あなたの諭吉が、泣いています」
5.各人に心の変革が促され、無茶なことは結局なされない。
6.結城碧志がまた無茶なことを言って終了。

こんな感じですね。とにかく流れを忠実に守るドラマで、それ故の小気味よさがウリのドラマだったと記憶しています。最終話でも、無茶なことを言って終了した時には、さすがに爆笑でした。

 しかしこの作品、自分の回りでは誰もと言っていいほど知らないんですよね……。まぁ、そもそも、ドラマを見る人間自体少ないですけど。さすがにこの視聴率では、再放送なども望めないでしょうし……。これほどに、“お約束”を綺麗に表現した作品はないと確信しているんですが……。とにかく、悔やまれる限りです。