パソゲー界においては、結構な大手になると思われる、戯画。その戯画の新作である、『姫さまっ、お手やわらかに!』をやってみました。

 今作は、『この青空に約束を』の原画であるねこにゃん氏は続投、シナリオの丸戸氏は外れる形で制作されました。丸戸氏は別メーカーでシナリオを書くということで、この激突がどうなるものやらと思っていましたが……。ぶっちゃけ、丸戸氏のターンが来る前に、勝敗は決してしまいましたかね。

 『姫さまっ、お手やわらかに!』は南国に突然亡国の姫が現れ、国の再興を目指して一騒ぎするというものです。正直、設定の時点で不安は抱いていたのですが……。
 結論から言いますと、あまりにも各キャラについて掘り下げてないせいで、逆に文句も言いにくいけど、面白みはない!というところですか……。まさか、土日に休み休みやっただけで終わるなんて、発売前は微塵も考えませんでした。
 攻略対象キャラは5人。つまりは、シナリオが5本あるワケで、妥当な数字でしょう。しかし、この薄さは何なのか。それはひとえに、設定の使い方が下手すぎるってことではないかと思います。一本、まぁまぁの設定を組んでいたシナリオはあったのですが、設定が明かされた瞬間に即終了……。いや、その設定を使って、ここから描くシナリオが大事なんでしょ? 正直、驚愕しました。
 自分は、主人公のキャラがしっかり立っていないと、最終的な評価は大体低くなります。それは、完全にシナリオ重視のスタンスだからです。その点でも、この作品には及第点はやれませんでした。あまり強さが感じられないんですよね……。だいぶ昔の、女性キャラに媚びるだけの主人公でないのは、まだマシなんですが。

 少し前に出た、『チアフル!』のときは、丸戸氏&ねこにゃん氏なしでここまでやれるのか!と感心しました。それが今ではこれとは……。もう、どう期待したものか、自分には分かりません……。